マンガロールでの地域リハ活動|前編

地域リハ入門

前回のブログで紹介しました地域リハビリテーションを具体的にイメージしていただくために、約30年前にインドのマンガロールという地域で展開された地域リハビリテーション活動を紹介いたします。

マンガロールってどんなところ?

マンガロールは、インドの軽井沢バンガロールに隣接する過疎地で、日本の小さの市位の面積に1万人くらいの人が住んでいました。

ここには、診療所が1ヶ所あり、1名の医師、10名の看護師、1名の理学療法士がいました。

人口が約5倍の館山市に置き換えると、診療所が5ヶ所、医師が5名、看護師が50名、理学療法士が5名になります。
館山市には、現在リハビリ専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)が100名近くいるといわれているので、リハ資源だけに関しても館山市の20分の1と、非常に乏しいことがお分かりになるかと思います。

マンガロール全体のイメージ

マンガロールの模式図

上の図はマンガロールの状況を表した模式図です。人口100人の集落が10集まり、1000人の村を構成しています。1000人の村が10集まり、マンガロールを構成しています。

ここに1件の診療所、1名の医師、10名の看護師、1名の理学療法士、診療所に並ぶ住民が描かれています。

村全体のイメージ

村人は、農作物を自給自足し、貧乏で、栄養不良な状態です。

診療所は、町の中央にあり、通院は病人をリヤカーに乗せ、片道で半日かかる距離にあります。病人が1人でると、働き手2人が1日居なくなってしまうので死活問題になります。

診療所は、いつも患者であふれ、毎日一生懸命診療しているが、らちが明かない状況です。

館山市に置き換えて考えると

館山市に置き換えて考えてみたいと思います。

私の勤務するクリニックには、現在9名の療法士がいます。
外来・通所・訪問の事業を行っているのですが、患者さん・利用者さんが多く、スタッフも手一杯の状況です。

スタッフの数が半分に減り、館山市内にいるリハビリ専門職によるリハビリが必要な方がすべて集まる状況になります。
おそらく、いままでの診療のやり方では、すぐにクリニックはパンクしてしまい、途方に暮れてしまうのが目に見えており、考えただけでもゾッとする状況になることが予測されます。

マンガロールでの地域リハビリテーション活動

診療所にできた行列を減らし、住民達がいきいきと人間らしく暮らせるよう、地域リハビリテーション活動が展開されました。

村での説明

まず、診療所の方達が中心となり、住民の声、専門職の声を拾い上げ、地域にどんな資源があり、どのように活用できるかを考え、マンガロールの人々の暮らしが良くなる地域リハビリテーション活動を考案しました。

次に、各集落で有力者に集まってもらい、「こんな風に皆で活動すれば、暮らしが良くなるんだけど・・・」と説明し、有力者全員に賛成してもらいました。

意志統一が重要です!

地域リハ活動を進めようとするときに、一人でも納得しない方、このままで良いという方がいると、上手くいきません。

地域リハ活動を成功させるためには、始めに基本方針を明確にして、関係者全員で共有する事が重要です。

日本の各地で進められている、地域包括ケアシステムにおいても、基本方針の明確化とその共有は、規範的統合と呼ばれ重要視されています。

館山市での実践

館山市では、住民主体の介護予防事業を進める際、行政・地域包括支援センターの職員、市内で勤務するリハビリ専門職と地域リハや住民主体による介護予防の考え方を共有する機会を設けました。

リハビリ専門職への働きかけは下のリンクよりご覧いただけます。

館山市体操教室立ち上げ研修 | たてやま整形外科クリニック リハスタッフブログ
理学療法士の高橋です。館山市体操教室立上げ支援研修を講師を務めました。今回は、協力事業所の理学療法士、健康課の保健師さん達を対象に、介護予防・地域づくり考...

また、ケアマネジャーや通所サービス事業所の皆さんとも、地域リハや住民主体の介護予防の考え方を共有する機会を設け、立ち上がった体操グループをインフォーマルサービスやデイサービスやリハビリ卒業後の受け皿として活用していただけるよう働きかけました。

通所サービス事業所への働きかけは下のリンクよりご覧いただけます。

たてやま整形外科クリニック リハスタッフブログ
リハビリテーションセンターの活動報告

ケアマネジャーへの働きかけは下のリンクよりご覧いただけます。

たてやま整形外科クリニック リハスタッフブログ
リハビリテーションセンターの活動報告

4つの分野でのアプローチ

マンガロールでは、医療、機能訓練、予防の啓発、お金の4つの分野で地域リハビリテーションの活動が行われました。
後編では、以上4つの分野のアプローチを紹介したいと思います。

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