TUGとは
TUGは、椅子からの立ち座り動作、歩行、方向転換から構成され、移動能力だけでなくバランス能力や筋力などを要し、移動能力を総合的にみるテストです。今回は、TUGの測定方法、検査結果の基準値を紹介します。
検査のための準備
- ストップウォッチ
- 椅子(標準的なパイプ椅子のような物を用意する。椅子の背もたれを壁につけたり、テーブなどを用いて地面に固定することが望ましい)
- 3mの歩行路
測定方法
- 体が動き出した瞬間から座面に臀部が着くまでを計測します。
- 距離は椅子の前脚から3m測定し設定します。
測定者の立ち位置
被験者がバランスを崩した時にすぐに支えることができるように、常に被験者の側につきます。
また、片方の手を被験者の前に、もう片方の手を被験者の後ろに伸ばして、前後どちらにバランスを崩しても支えられるようにします。
ただし、測定者の手を被験者に近づけすぎると、歩行を妨げる恐れがあるため気を付けましょう。
被験者が下肢の骨折や脳卒中による片麻痺などを有しており、どちらか一側の下肢機能が低下している場合は、原則として機能が低下している側に立ちましょう。
教示方法
手を太ももの上に置いた状態から、スタートの合図で立ち上がり、目印で方向転換して、椅子に座ってください。
方向転換の方向はどちらでもかまいません。
座るまでの時間を計測しますので、必ず椅子に座ってください。
なお、普段通りのスピードで歩いてください。
教示内容に対し理解が不足している場合など必要に応じて、検者が説明しながら一連の動作を行い、目で確認してもらいます。
基準値
- 運動器不安定症:≧ 11.0 秒
- ADL 低下のリスク:≧ 12.0 秒
- 転倒発生リスク:≧13.5秒
参考
荒井秀典・山田実:介護予防ガイド 実践・エビデンス編.国立長寿医療研究センター
島田裕之:高齢者理学療法学.医歯薬出版株式会社
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