母趾外転筋を触察するためのランドマーク

下肢の筋を触察するためのランドマーク

はじめに

母趾外転筋は、足部の底側面・内側面に位置し、母趾外転筋・短母趾屈筋・母趾内転筋と共に母趾球筋を構成する筋です。

臨床では、周辺組織との滑走不全を起こすことにより、楔状骨や第1中足骨のアライメントに影響を与えるので、足部アーチの評価や治療において、触る機会の多い筋です。

今回は、「足底筋の触察」シリーズの第1弾として、母趾外転筋を触察するためのランドマークを紹介したいと思います。

母趾外転筋の背側縁

母趾外転筋の背側縁は、足部の内側面で足底と足背の中央部に位置します。

また、足部の内側面に並ぶ骨(踵骨、距骨、舟状骨、内側楔状骨、第1中足骨、母趾の基節骨)とその底側にある筋腹との境界が母趾外転筋の背側縁の指標になります。

母趾外転筋の外側底側縁

踵骨隆起の前内側底側端(★1)と第1基節骨底の内側底側端(★2)を確認します。

踵骨隆起の前内側底側端(☆1)と第1基節骨底の内側底側端(☆2)を結ぶ線が、母趾外転筋の外側底側縁の想定線になります。

おわりに

母趾外転筋を触察するためのランドマークを紹介しました。

正確に母趾外転筋を触り分けるには、今回紹介した視標に加え、母趾外転筋および隣接する筋の3次元的な位置や形状といった解剖学の知識、触察手順、筋を触知しやすい指の動かし方、母趾外転筋に特徴的な触察感を知ることが重要となります。

これらの情報を得るための、書籍および運動器系体表解剖セミナーを主催している研究会を紹介しますので、触察技術の向上にお役立てください。

たてやま整形外科クリニックのスタッフのみなさんは、TOC体表解剖勉強会の予習・復習にお役立てください。勉強会の様子は、下のリンクよりご覧いただけます。

今回もご覧いただきありがとうございました。

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