はじめに
腰方形筋は、腰椎の外側方で腹腔の後壁をつくる板状の筋です。
片側が働くと骨盤の挙上または腰部を同側へ側屈させ、両側が働くと腰部を伸展させ、横隔膜が収縮する際に第12肋骨を固定する作用があり、体幹の機能障害を有する症例に介入する際に触れる機会の多い筋です。
今回は、腰方形筋を正しく触察するためのランドマークを写真を用い紹介いたします。
腰方形筋の前外側上縁のマッピング
体幹を後外側方からみた写真です。
腰方形筋(赤)、腸肋筋(青)、腸骨稜・上前腸骨棘・上後腸骨棘・第12肋骨(黒)が描かれています。
腰方形筋の前外側上縁を触察するためのランドマーク
半側骨盤幅の中央部(✖1)を確認します。
✖1を通る矢状面と第12 肋骨との交点(✖2)を確認します。
腸骨稜上で、上後腸骨棘の後端と上前腸骨棘の前端との中央部(✖3)を確認します。
✖2と✖3を結ぶ線が、腰方形筋の前外側上縁の想定線となります。
触察の際には、想定線を上に指を置き、隣接する外腹斜筋との境界を確認しながら、腰方形筋の前外側上縁を触れていきます。
おわりに
腰方形筋を触察するためのランドマークを紹介しました。
正確に腰方形筋を触り分けるには、今回紹介したランドマークに加え、腰方形筋および隣接する筋の3次元的な位置や形状といった解剖学の知識、触察手順、筋を触知しやすい指の動かし方、腰方形筋に特徴的な触察感を知ることが重要となります。
これらの情報を得るための、書籍および運動器系体表解剖セミナーを主催している研究会を紹介しますので、触察技術の向上にお役立てください。
たてやま整形外科クリニックのスタッフのみなさんは、TOC体表解剖勉強会の予習・復習にお役立てください。勉強会の様子は、下のリンクよりご覧いただけます。
今回もご覧いただきありがとうございました。
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