腰方形筋は、腰椎の外側方で腹腔の後壁をつくる板状の筋です。
片側が働くと骨盤の挙上または腰部を同側へ側屈させ、両側が働くと腰部を伸展させ、横隔膜が収縮する際に第12肋骨を固定する作用があり、体幹の機能障害を有する症例に介入する際に触れる機会の多い筋です。
たてやま整形外科クリニックスタッフ対象の第177回TOC体表解剖勉強会でも、腰方形筋の触察をテーマに勉強会を実施しました。
今回は、TOC体表解剖勉強会の復習を兼ね、腰方形筋を正しく触察するための指標を写真を用い紹介いたします。
腰方形筋の前外側上縁のマッピング
体幹を後外側方からみた写真です。
腰方形筋(赤)、腸肋筋(青)、腸骨稜・上前腸骨棘・上後腸骨棘・第12肋骨(黒)がマッピングされています。

腰方形筋の前外側上縁を正しく触察するための指標
半側骨盤幅の中央部(✖1)を確認します。
✖1を通る矢状面と第12 肋骨との交点(✖2)を確認します。

腸骨稜上で上後腸骨棘の後端と上前腸骨棘の前端との中央部(✖3)を確認します。

✖2と✖3を結ぶ線が、腰方形筋の前外側上縁の想定線となります。

想定線を指標に腰方形筋の前外側上縁を触察していきます。

おわりに
腰方形筋を正しく触察するための視標について紹介いたしました。
腰方形筋を正しく触察するためには、今回紹介した視標に加え、腰方形筋の3次元的な解剖学の知識や触察手順、腰方形筋に特徴的な触察感を知ることが重要となります。
これらは、正しい情報が記載されたテキストを参考に学習することや正しい知識や技術を伝えてくれるセミナーを受講することが近道となります。下にテキストとセミナーを紹介いたします。
テキスト
骨格筋の形と触察法
セミナー
体表解剖学研究会主催 運動器系体表解剖セミナー
明日から臨床に活かせる触察セミナー
次回は、腸肋筋を正しく触察するための指標を紹介したいと思います。
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