大円筋を触察するためのランドマーク

はじめに

大円筋は、肩甲骨の後面の下角付近からはじまり、広背筋とともに上腕三頭筋の前方を通り、腋窩の後壁を形成する筋です。

今回は、大円筋を触察するためのランドマークを紹介したいと思います。

大円筋の停止付近の筋腹

腋窩の後壁を形成する筋腹の中央部に指を置き、外側方へ移動させて大円筋の外側縁(★1)を確認します。

続いて、腋窩の後壁を形成する筋腹の中央部に指を置き、内側方へ移動させて大円筋の内側縁(★2)を確認します。

大円筋の上縁～外側縁

肩甲骨の下角から2横指頭方の部位(★3)を確認します。

肩甲骨の外側方で、腋窩の後壁を形成する筋腹をつまみ大円筋の上縁(★4)を確認します。

こちらは、腋窩の壁を形成する大円筋の上縁をつまみ法を用い確認しているところです。

肩甲骨の下角から2横指頭方の部位(★3)、肩甲骨の外側方に位置する大円筋の上縁(★4)、停止部付近の筋腹の外側縁(★1)を結ぶ線が、大円筋の上縁～外側縁の想定線になります(想定線1)。

想定線1上に触察指を置き、想定線１と直交する方向に指を動かし、大円筋の上縁～外側縁を触察します。

大円筋の下縁～内側縁

肩甲骨の下角(★5)を確認します。

肩甲骨の下角(★5)と停止部付近の筋腹の内側縁(★2)を結ぶ線が、大円筋の下縁～内側縁の想定線になります(想定線2)。

想定線2上に触察指を置き、想定線2と直交する方向に指を動かし、大円筋の下縁～内側縁を触察します。

おわりに

大円筋を触察するためのランドマークを紹介しました。

正確に大円筋を触り分けるには、今回紹介した視標に加え、大円筋および隣接する筋の3次元的な位置や形状といった解剖学の知識、触察手順、筋を触知しやすい指の動かし方、大円筋に特徴的な触察感を知ることが重要となります。

これらの情報を得るための、書籍および運動器系体表解剖セミナーを主催している研究会を紹介しますので、触察技術の向上にお役立てください。

たてやま整形外科クリニックでは、定期的に体表解剖勉強会を開催し、スタッフの能力の向上を図っています。スタッフのみなさんは、本ブログをTOC体表解剖勉強会の予習・復習にお役立てください。

勉強会の様子は、下のリンクよりご覧いただけます。

今回もご覧いただきありがとうございました。