はじめに
小趾外転筋・短小趾屈筋・小趾対立筋は、足部の底側面・外側面に位置し、小趾球を構成する筋です。
臨床では、周辺組織との滑走不全を起こすことにより、立方骨や第5中足骨などのアライメントに影響を与えるので、足部アーチの評価や治療において、触る機会の多い筋です。
今回は、小趾外転筋・短小趾屈筋、小趾対立筋を触察するためのランドマークを紹介したいと思います。
小趾外転筋と小趾対立筋の外側背側縁
踵骨、立方骨、小趾の基節骨とその底側にある筋腹との境界が、小趾外転筋の外側背側縁の指標になります。
第5中足骨とその底側にある筋腹との境界が、小趾対立筋の外側背側縁の指標になります。
第5中足骨付近の小趾外転筋の外側背側縁は、小趾対立筋の外側背側縁のすぐ底側方に位置します。
小趾外転筋の内側縁
踵骨隆起の前底側縁の中央部(★1)と第5基節骨底の外側底側端(★2)を確認します。
踵骨隆起の前底側縁の中央部(★1)と第5基節骨底の外側底側端(★2)を結ぶ線が、小趾外転筋の内側縁の想定線になります(想定線1)。
短小趾屈筋の内側縁
踵骨隆起の前底側縁の中央部(★1)と、小趾の基節骨の底の外側底側端(★2)とを結ぶ線の中点(★3)を確認します。
第5趾の基部と第4趾の基部との間の部位(★4)を確認します。
踵骨隆起の前底側縁の中央部と小趾の基節骨の底の外側底側端とを結ぶ線の中点(★3)と第5趾の基部と第4趾の基部との間の部位(★4)を結ぶ線が、短小趾屈筋の内側縁の想定線になります(想定線2)。
おわりに
小趾外転筋・短小趾屈筋・小趾対立筋を触察するためのランドマークを紹介しました。
正確に外腹斜筋を触り分けるには、今回紹介した視標に加え、小趾外転筋・短小趾屈筋・小趾対立筋および隣接する筋の3次元的な位置や形状といった解剖学の知識、触察手順、筋を触知しやすい指の動かし方、小趾外転筋・短小趾屈筋・小趾対立筋に特徴的な触察感を知ることが重要となります。
これらの情報を得るための、書籍および運動器系体表解剖セミナーを主催している研究会を紹介しますので、触察技術の向上にお役立てください。
たてやま整形外科クリニックのスタッフのみなさんは、TOC体表解剖勉強会の予習・復習にお役立てください。勉強会の様子は、下のリンクよりご覧いただけます。
今回もご覧いただきありがとうございました。
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