長・短腓骨筋を触察するためのランドマーク

下肢の筋を触察するためのランドマーク

はじめに

長腓骨筋と短腓骨筋は、下腿部の外側面で前後径の中央1/3の領域に位置し、重なり合いながら、腓骨の外側面を前頭方から後尾方に螺旋状に走行する筋です。

今回は、長腓骨筋と短腓骨筋を触察するためのランドマークを紹介します。

長腓骨筋の停止腱

外果のすぐ後方に位置する長腓骨の停止腱(★1)、外果の遠位端(★2)、第5中足骨粗面から1横指後方の部位(★3)を確認します。

★1、★2、★3を結ぶ線が、長腓骨筋の停止腱の想定線になります。

短腓骨筋の停止腱

外果の遠位端(★2)と第5中足骨の底の背側端(★4)を確認します。

★2と★4を結ぶ線が、短腓骨筋の停止腱の想定線になります。

また、外果の後方で長腓骨の停止腱(★1)の内側方でも、短腓骨筋の停止腱(★5)を確認できます。

長腓骨筋と短腓骨筋とを合わせた筋腹の前縁

外果の後縁(★6)、腓骨の前縁の遠位1/3 の部位(★7)、腓骨の腓骨頭の前縁から1横指前方の部位(★8)を確認します。

★6、★7、★8を結ぶ線が、長腓骨筋と短腓骨筋を合わせた筋腹の前縁の想定線になります。

長腓骨筋と短腓骨筋とを合わせた筋腹の後縁~内側縁

短腓骨筋の停止腱の内側縁(★5)と腓骨頭の後縁(★9)を確認します。

★5と★9を結ぶ線が、長腓骨筋と短腓骨筋を合わせた筋腹の後縁から内側縁の想定線になります。


長腓骨筋の前縁

外果のすぐ後方に位置する長腓骨の停止腱(★1)の前縁を確認します。

続いて、長腓骨筋と短腓骨筋とを合わせた筋腹の前縁の近位1/3 の部位(★10)を確認します。

★1と★10を結ぶ線が、短腓骨筋の表層に位置する長腓骨筋の前縁の想定線になります。

長腓骨筋の後縁

外果のすぐ後方に位置する長腓骨の停止腱(★1)の後縁を確認します。 

続いて、長腓骨筋と短腓骨筋とを合わせた筋腹の後縁の中央部(★11)を確認します。

★1と★11を結ぶ線が、短腓骨筋の表層に位置する長腓骨筋の後縁の想定線になります。

おわりに

長腓骨筋と短腓骨筋を触察するためのランドマークを紹介しました。

正確に長・短腓骨筋を触り分けるには、今回紹介した視標に加え、長・短腓骨筋および隣接する筋の3次元的な位置や形状といった解剖学の知識、触察手順、筋を触知しやすい指の動かし方、長・短腓骨筋の特徴的な触察感を知ることが重要となります。

これらの情報を得るための、書籍および運動器系体表解剖セミナーを主催している体表解剖学研究会を紹介しますので、触察技術の向上にお役立てください。

たてやま整形外科クリニックのスタッフのみなさんは、TOC体表解剖勉強会の予習・復習にお役立てください。勉強会の様子は、下のリンクよりご覧いただけます。

今回もご覧いただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました