骨・神経等運動器系の構造を3次元的に理解し、体表から触察し位置を説明する体表解剖の知識・技術は、リハビリテーション医療に携わるセラピストにとって不可欠な能力です。
ここでは、体幹の筋を正確に触察すためのランドマークを紹介します。
小菱形筋・大菱形筋を触察するためのランドマーク
はじめに 小菱形筋および大菱形筋は、背部の頭方で僧帽筋の深層に位置する筋で、小菱形筋は帯状、大菱形筋は菱形の形状をしています。今回は、僧帽筋を正確に触察するためのランドマークを紹介したいと思います。 小菱形筋・大菱形筋のマッピング こちらは...
僧帽筋を触察するためのランドマーク
はじめに 僧帽筋は、頚背部に位置する三角形状の筋で、下行部、横行部、上行部の3部から構成されています。全体では肩甲骨の内転、下行部は肩甲骨の挙上・上方回旋、横行部は肩甲骨の内転、上行部は肩甲骨の内転・下制・上方回旋の作用を持ちます。僧帽筋と...
腸肋筋を触察するためのランドマーク
はじめに 腸肋筋は、体幹の後面を骨盤から頚椎まで縦走する大きな筋で、両側が働くと頚部と体幹を伸展させ、片側が働くと頚部と体幹の同側へ側屈させる作用があります。 臨床では、腰部に痛みのある症例において、腸肋筋と隣接する肋骨・肋間筋・最長筋・腰...
広背筋を触察するためのランドマーク
はじめに 広背筋は、胸腰部の後面を広く覆う三角形の大きな板状の筋です。 臨床では、周辺組織との滑走不全を起こすことにより、胸郭のアライメントに影響を与えるので、肩や腰部の評価や治療において、触る機会の多い筋です。今回は、広背筋を触察するため...
肩甲挙筋を触察するためのランドマーク
はじめに 肩甲挙筋は、外側方からみて頚部の前後径の中央部付近を下行し、肩甲骨の上角から内側縁に停止する筋で、肩甲骨の挙上に働きます。 肩甲挙筋は、僧帽筋や斜角筋、第1・2肋骨との滑走不全により、肩甲骨の上方回旋時の肩甲骨の上角の内側への移動...
内腹斜筋を触察するためのランドマーク
はじめに 内腹斜筋は、鼠径靭帯、腸骨の腸骨稜の中間線、胸腰筋膜の深葉を介して腰椎の肋骨突起に起始し、第10~12肋骨の下縁、腹直筋鞘を介して白線に停止する、体幹の外側面を斜走する板状の筋です。 内腹斜筋と隣接組織との滑走不全による胸郭の拡張...
腹直筋を触察するためのランドマーク
はじめに 腹直筋は、恥骨結節、恥骨の恥骨結合の前面に起始し、第5~7肋軟骨、胸骨の剣状突起に停止する、前正中線のすぐ外側方を縦走する多腹筋です。 腹直筋と隣接組織との滑走不全による胸郭の拡張不全が、腰部・肩甲帯の運動機能、呼吸機能などに大き...
腰方形筋を触察するためのランドマーク
はじめに 腰方形筋は、腰椎の外側方で腹腔の後壁をつくる板状の筋です。片側が働くと骨盤の挙上または腰部を同側へ側屈させ、両側が働くと腰部を伸展させ、横隔膜が収縮する際に第12肋骨を固定する作用があり、体幹の機能障害を有する症例に介入する際に触...
棘筋、半棘筋、多裂筋、回旋筋を触察するためのランドマーク
はじめに 棘筋、半棘筋、多裂筋、回旋筋は、脊柱の棘突起のすぐ外側に位置する筋です。 特に腰部に位置する多裂筋は、評価の際に筋萎縮や収縮不全を確認したり、徒手療法・運動療法などで介入する場面でも触れる機会が多い筋です。腰に痛みを抱える症例に対...
最長筋を触察するためのランドマーク
はじめに 最長筋は、体幹の後面を骨盤から頭蓋骨まで縦走する大きな筋で、体幹を伸展や同側側屈させる作用を持っています。 臨床では、腰部に痛みを抱える症例において、最長筋と腸肋筋・多裂筋の間の滑走不全に対する徒手療法を実施する機会も多いので、し...